家庭用エスプレッソマシン スチームの手順編/#85

 

こんにちは。イラストレーターの茶谷順子です。このブログは、コーヒーをもっと気軽に楽しめるよう、器具の使い方や美味しくいれるヒントをイラストを混じえて紹介しています。

 

今回は、家庭用エスプレッソマシンの「スチーム機能。ミルクのあためかた」を詳しく解説していきます!

 

前回同様、既に、準備が整っている前提で話を進めます。まだの方は、83回めを読んで準備万端にして始めることをお勧めします♪今回の記事では、前半はスチームについての予備知識。後半でスチームミルクの作り方を紹介します。(ラテアートについては書いていません。)

 

エスプレッソマシンでミルクを温めるには、蒸気=スチームを使います。

エスプレッソマシンのスチームはこの細い棒、スチームノズルを使って行います。

 

普段、食材を温める時は、レンジや、火にかけますよね。ですが、エスプレッソマシンでは火を使わず、蒸気でミルクを温めます。

 

蒸気とは、アイロンかける時に出てくる、あの熱くて勢いの良い気体です。

 

背面タンクの水を沸かし、この紅い丸で囲った、長細いスチームノズルを通って勢いよく蒸気が出てくる仕組みです。そこから出てきた蒸気=スチームでミルクを温めて、あのクリーミィなミルクを作っているのです。はあ、早くあっためたいですね!

 

ただ、蒸気はとっても高温なので、操作は細心の注意を払ってください。蒸気が直接肌に当たれば気体といえど熱いですし、温めている途中や直後にスチームノズル(金属部分)を触ったら火傷をしてしまう可能性が大です。

 

必ず、周りの安全を確認し、ノズルはよく絞ったダスター越しに触るようにしましょう!本当に大事です。

 

ミルクを扱う前に、スチームを空ぶかししてみましょう。

 いよいよ機械を扱います。適温ランプがオンになっているのを確認してから、スチームのレバーや、ハンドルを開けていきます。

 

最初は少しずつ、徐々に全開していくと安全です。最初はスチームの勢いも弱いのですが、全開にすると勢いよく高熱のスチームが出ますので、必ず体と反対の方向にノズルを向けて蒸気を出しましょう。家庭用の場合は、先端にガードがついているものも多いですが、ダスターなどで先端を覆って行いましょう。

 

出してみれば「あ、これが蒸気か〜。」とすぐにお分かりになると思います。エスプレッソマシンでの「スチーム」はこの蒸気をミルクに送り込む作業です。

 

蒸気は気体なので、温めながら空気がミルクに送り込まれます。だからあんなにふわっと、シルクのような滑らかな舌触りになるんですよね。電子レンジで温める場合との大きな違いはここですね。

 

お店でシューシュー言ってたのは、このスチームが正体だったんです。いかがでしょうか。ここまで「スチーム」の解説でした。

 

もし、もっと詳しく知りたい方は業務用エスプレッソマシンの回で解説していますので、そちらをご覧ください。

 

実践!スチームミルクの作り方。

大まかには3つの工程でスチームをします。

  1. 冷たいミルクをスチームして温めて、
  2. フワフワのフォームミルクを作ったら、
  3. 70℃前後まで対流させながら温めてスチームを終える。

この工程の中で起きる変化を、視覚や聴覚で捉えながらスチームしていく。ということになります。 

事前知識:フォームミルクとスチームミルクについて。ミルクをスチームすると、上の2つのミルクができます。
フォームミルクは、ふわふわの軽いミルク。カプチーノの泡のような部分です。対して、スチームミルクは、ふわふわではなく、しっとり滑らかな口当たりの、重さ、飲んでる感覚があるミルクです。

カプチーノのふわふわのとこは、フォームって呼ぶから知ってる人も多いかな?

 

スチームの手順と、見た目を解説!ファイト〜!

フォームミルクとスチームミルクの違いがわかったら、いざ実践です!イラストと文章両方見ながらイメトレしてみましょう!前半でフォームの作り方。後半でスチームミルクの作り方を解説しています。ではまず前半から。

 

1.まず、よく冷えたミルクをピッチャーの3分の1程度まで注ぐ。

ミルクはスチームすると倍以上の量に増えます。なので、スタート時はピッチャーの3分の1までに留めておきます。少ないなあ。という印象だと思います。

 

2.一旦空ぶかしをしてノズル内部の水分を飛ばす。その後、ノズルをミルクの液面スレスレに当てて、徐々にスチームのバルブを開ける。

イラストのように、ノズルの先端をミルク液面スレスレに当てた状態でバルブをあけて、蒸気を送り込み、スチームを開始します。

 

ここからが皆さんの一番知りたいとこだと思いますので、細かく書いていきます。

 

3.ミルクに蒸気が流れ込み、徐々に液面が上昇していきます。ミルクに上手に空気が取り込めているかは、音でわかります。

 

最初はスチームの「シュー」という音、スチームを始めると「チリチリ」という音がし始めます。この音がフォームミルク(ふわふわのミルク)が作られている音です。

 

4.フォームができてくると、液面がだんだん上昇します。ノズルの先端が液面に埋れないよう、液面スレスレに出し続けるように、ピッチャを少しずつ下げていきます。フォームミルクを作る間だけで良いので、その時間大体5秒、温度30℃くらいです。※ゆっくり引き下げないとノズルの先端が出て、蒸気で液面が荒れるので少しずつ下げます。

 

ここまでがフォームミルクを作る過程です。イラストでも確認して見てくださいね。

手順を図解しました!ピッチャの上下のタイミングを合わせるのがコツですね。

 

続いて、後半はフォームが十分にできたので、スチームミルク作りに移行します。

 

5.フォームミルクができてきて、液面がピッチャーの半分位まで上昇してきます。

 

そこで先ほどまで出していたノズルの先端をミルクの中に沈めます。


4.の時とは逆にピッチャを持っている手を上げて、ノズルをミルクに沈め、一気に温めます。(ノズルが底面に当たらない程度)すると、チリチリ音はしなくなります。静かに対流しながらミルク全体を温め、大体7〜8割位まで液面が上昇したらスチームのボタンを止めましょう。液量はスチームがうまく行っていれば、大体2倍位に増えています。

 

6.スチームが確実に終わっているのを確認したら、ノズルを抜き、ミルクピッチャーを安定した場所に置きます。絶対にスチームをしながらピッチャを外さないようにしてください。熱くなったミルクが飛び散ってしまいますので、気をつけましょう。

 

7.最後に、ノズルの内部には先ほどまでスチームしていたミルクの成分が残っているので、硬く絞ったダスターでノズルを覆い、空ぶかしをします。そしてノズル内部のミルクを吐き出し、外側についたミルクも拭き取ります。

 

以上が、ミルクのスチームです。お疲れ様でした!

後半は、フォームは作りません。徐々に温度が上がってくるので見とれすぎず手際良くバルブを閉めましょう。

 

仕上がりの温度は大体70℃くらいが理想です。

仕上がりの温度は大体70℃くらいが理想です。温度計を使う場合は、60℃を超えたらスチーム終了の頃合いです。余熱でどんどん温度が上昇するからです。温度計がない場合は、液面の上昇具合などで見極めても良いですね。一瞬ピッチャーの側面を触ってみる人もいるそうですが、絶対お勧めしません。火傷しますからね。

 

出来上がったミルクは、注ぎたてのビールのような感じ。

出来立てのミルクは先ほどまで滞留していたので、全体に均等に空気が含まれていて軽い口当たりです。少し経つと徐々にミルクと泡が分離を始めて、上がフォームミルク。下が液体に分かれていきます。

 

ドリンクを作るときは、出来立ての軽すぎるミルクではなく、少し分離が落ちついてシルクのように艶っぽくなった状態のもので作るととっても美味しいドリンクが作れますよ〜!

 

以上、かなりボリューム多めに説明しました。次回は、このミルクと、エスプレッソを使ってラテを作って見ましょうかね!最後までお読みいただき、どうも有り難うございました。

 

スチーム終了後、ここまでやってやってしまう癖をつけましょう!後からだと汚れが取りにくくなります。


この記事は、茶谷順子2020/5/9のブログ記事を自分で加筆修正したものです。

 

 

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